【害獣駆除】ネズミの危険性や被害に合わないための対処法

ネズミはモチーフにした人気キャラクターもいますが、病原菌を運ぶ厄介者な一面もあります。いつの間にか住宅や店舗に侵入し家具や食品をかじってしまうなど、かわいい顔とは裏腹に害獣として名高い存在でもあります。そんなネズミについて生態や害獣被害に関する情報をご紹介します。

ネズミの種類

住宅地や繁華街などで害獣被害を発生させるネズミは主に3種類です。家ネズミと呼ばれるものでドブネズミが最も体が大きくなります。ドブネズミは繁華街や飲食店などで活動することが多く、クマネズミは住宅などに侵入し天井裏などに住み着くことがあります。ハツカネズミは地域によってはあまり見かけなくなっているようです。

種類ドブネズミクマネズミハツカネズミ
大きさ22~26cm15~23cm6~9cm
体重200~500g120~250g10~30g
特徴尾が体より短い 横に行動尾が体より長い 縦に行動(立体的)尾が体と同じくらい長い 忍び込みが多い
性格獰猛な性格神経質で臆病な性格好奇心旺盛
活動エリア下水道、床下など水気が多いエリア天井裏など高さがあり乾燥したエリア農村や農耕地などのエリア
寿命約3年約3年約1~2年

ドブネズミ

クマネズミやハツカネズミに比べると大型になります。耳が厚くて小さいのが特徴です。高いところを登るような垂直の移動は苦手で床下など水分の多いところを好みます。尾は体よりも短く、毛の色は全対的に赤褐色~茶褐色です。寒さには強くて泳ぎが得意なので泳いで移動することもあります。警戒心はそれほど強くないため、トラップにはかかりやすいようです。しかし、獰猛な性格であるため噛まれる場合があるので、不用意に手を出さないように注意しましょう。

クマネズミ

クマネズミは運動能力が高く、柱や電気コードなどを登ることができるので容易に垂直の移動を行います。また、鋭い歯を持っており壁に穴を開けてしまい簡単に家屋の中に侵入することができます。すごいですよね。跳躍力もあり、1m以上の高さをジャンプすることもあります。このような特徴を活かし、小さな隙間や枝、コードなどを伝って家屋に侵入すると屋根裏などに住み着いてしまうのです。

ハツカネズミ

ハツカネズミは穏やかな性格で知能が高いため、ペットとして販売されていたり、実験動物として利用されたりしています。家屋に侵入して住み着くと屋根裏などで繁殖することもあります。家の中は屋外に比べて気温が安定しており繁殖に適した環境になりやすいといえます。ハツカネズミはネズミの中でも繁殖力が強く、妊娠期間が20日間と短いです。1年で70匹近く出産することもあります。

ネズミによる被害・リスク

ネズミの仲間にはペットとして飼育できる種類もありますが、家屋に侵入して勝手に住み着いてしまうと立派な害獣となります。大したことはないだろうと油断して、住み着いたネズミを放置したままにしておくと以下のような被害が発生してしまいます。決して放置することはやめておきましょう。また、ネズミや糞に触れないようにしてください。噛まれてしまった場合は迷わず病院の診察を受けることをお勧めします。

病気の感染リスク

ネズミは病原菌を運ぶ媒体です。ネズミの体や巣にはサルモネラ菌やレプトスピラ菌が付着していることが多く食器や調理器具に菌が付着するなどして病気に感染する恐れがあります。

サルモネラ菌

食器などを介してサルモネラ菌が体内に入ると、サルモネラ症を発症し腹痛、嘔吐、下痢などの症状を引き起こします。乳幼児が感染した場合、髄膜炎を発症する危険性があります。

レプトスピラ菌

レストスピラ菌によりレストスピラ症を引き起こすと黄疸、高熱、筋肉痛などの症状が起こります。ネズミの排泄物で汚染された水や土を介して、菌が傷口などから体内に侵入する場合があります。視覚障害を起こすこともあります。

ハンタウイルス

一部のネズミの糞にはハンタウイルスが生息しています。糞を含む埃を吸い込んだり傷口からウイルスが侵入することで腎症候性出血熱やハンタウイルス肺症候群を発症します。頭痛や発熱の症状が出たあと、呼吸困難や酸素欠乏状態に陥ります。効果的な治療法はまだ見つかっていません。日本国内では1960年~1970年代に報告がありましたが、それ以降の報告はないようです。

鼠咬症(そこうしょう)

ネズミに噛まれることで起きる感染症です。鼠咬症に感染すると傷口のただれ、発疹、発熱、関節炎を引き起こします。さらに意識障害や肺炎, 髄膜炎など重篤な症状になることもあり非常に危険です。

寄生虫による被害

ネズミの体にはダニやノミといった寄生虫がついていることがあります。その寄生虫が人にうつり刺されると感染症にかかってしまうことがあります。

ツツガムシ

人にうつって血を吸うときにツツガムシ症を感染させます。ツツガムシ症に感染すると高熱、頭痛、発疹の症状を引き起こします。重症化すると他臓器不全を引き起こすことがあり注意が必要です。毎年数人の死亡例が報告されています。

イエダニ

普段はネズミの血を吸って生きていますが、宿主であるネズミが死んでしまうと養分を求めて人に危害を加えるようになります。刺されると痒み、腫れを引き起こします。

ネズミが住み着いてしまった場合の対処方法

専門業者に駆除を依頼する

費用はかかりますが自分だけでなんとかしようとはせず専門業者に相談することをお勧めしています。屋根裏や床下に入り込み、ネズミを追い出し清掃をすることは簡単ではありません。ネズミの排泄物や排泄物を含む埃を吸ってしまうのも嫌ですよね・・・。感染症のリスクもあるため、無理に自力でなんとかする前に一度プロに相談してみると良いでしょう。

自ら駆除する

どうしても自ら対処しなくてはならない場合、下記の方法があります

  • スプレータイプ、くん煙剤タイプの忌避剤で追い出す
  • ラットサインを目印に罠を設置して捕獲します。粘着シートタイプ、餌で誘き寄せて捕獲するタイプがあります。
  • 殺鼠剤を使った毒餌で退治する

罠や毒餌で退治する場合は、成果が出るまでに時間がかかります。上手く捕獲できた場合、ネズミの死体を処理する必要が出てきますので注意が必要です。また、ネズミや糞などに直接触れたり噛まれないように十分に気をつけて実施しましょう。

侵入経路を塞ぎ再発防止をする

退治するだけでは不十分です。ネズミが入り込んだ入り口や経路を塞いで、再度侵入することがないように対策することが重要です。何度も駆除が必要になると手間や費用がかさんでしまいます。穴や隙間をパテや金網で塞ぐようにしましょう。

まとめ

ネズミは可愛らしい見た目ですが、家屋を傷めたり、恐ろしい感染症の原因になる害獣です。家屋でネズミの姿や糞を見つけた場合には放置せず早めに対策をとると良いでしょう。初めてネズミが出てきた場合にはまず専門業者に相談してみることをお勧めします。