イタチはフェレットやオコジョと同じ仲間で愛らしい見た目をしていますが立派な害獣です。もし、自宅に住み着いてしまったかも?と感じた場合は決して放置せず専門業社に相談することをおすすめします。
近年、街中でも生息するようになっており、家屋に侵入し住み着くことによって人々の暮らしに悪影響を及ぼす危険性があります。そんなイタチの生態や家屋侵入による被害について説明していきます。
イタチとは
イタチはイタチ科の動物で、ペットとして人気のフェレットやオコジョもイタチの仲間です。日本国内にはニホンイタチが在来種として生息していますが個体数が減少しています。一方で、中国大陸や朝鮮半島などから日本に持ち込まれたとされるチョウセンイタチが個体数を増やしています。チョウセンイタチは養殖のために持ち込まれたものが逃げ出したり、ネズミなどの害獣対策として放獣されたものが繁殖し分布を拡げています。街中で見かけたり家屋に侵入して害を及ぼすのはほぼチョウセンイタチと考えて良いでしょう。
チョウセンイタチの生態・形態
⑴形態
チョウセンイタチは雄の方が雌よりも体が大きいです。
性別 | 頭胴長 | 尾長 |
雄 | 28~40cm | 16~21cm |
雌 | 25~30cm | 13~16cm |
体色は季節によってやや異なります。冬はやや黄色がかった明るい褐色、夏はやや暗い色になります。目~鼻周辺に濃褐色の斑紋があり、鼻周辺~口~喉は白色、目の周辺は胴と同色をしています。
⑵生態
家屋にはネズミなどの餌を求めて侵入したり、寝ぐらにすることで住み着くことが多いです。夜行性・雑食性でネズミ、鳥、昆虫などの動物だけではなく、果物なども食べます。壁を登ることができ泳ぎも得意です。オスは縄張り意識が強く、肛門の周りにある臭腺から出す分泌物でマーキングをします。その分泌物は非常に臭いです。
家屋侵入による被害
チョウセンイタチが家屋に侵入し住み着いてしまった場合、私たちの生活に様々な害が出てきます。
- 天井裏に排泄物が溜まると悪臭を放ち、天井にシミを作る、建材を傷める。
- イタチに寄生するダニやノミが、イタチから離れ、人間やペットに寄生する。ダニやノミが部屋の中で飛び散ったり舞ったりするとアレルギーやアトピー、喘息の原因になります。
- 巣を作るために天井裏の断熱材を食い破ってしまい、家屋を痛めてしまう。
- 食品や園芸作物への食害。
- 鳥やウサギ、ハムスターなどペットへの被害。雑食性ですが肉食性の傾向が強いため小動物が被害に遭うことがあります。
- 走り回る音や鳴き声による騒音被害。
イタチは日本の侵略的外来種ワースト100にランクインしています。3センチ程度の隙間があれば入り込めるので、イタチを見かけたり天井裏で物音がする場合にはそのまま放置せず対策をとるべきです。
イタチを駆除する方法
⑴害獣駆除の専門業社に相談する
まず初めに、イタチをはじめとする害獣駆除のプロに相談してみることをおすすめします。手間をかけて自分自身で対策を講じることは可能ですが、上手く成功するとは限りません。イタチは気性が荒く、縄張り意識が強いためです。一度、専門業社に相談し見積金額を見てから、専門業社に依頼するか、自分自身で対策するかを検討すると良いでしょう。
⑵自分自身で駆除をする
費用面などの都合により、自分自身で駆除をする場合は噛まれたり、排泄物を吸い込まないように十分に注意しましょう。
・捕獲する
罠などを利用して捕獲する場合は必ず自治体に相談し、捕獲の認可を取得しましょう。一部を除き、イタチは鳥獣保護法で保護されているため、無断で捕獲することは禁止されています。
認可を取得した上で捕獲する際は、罠の取り扱いやイタチに噛まれないように十分な注意が必要です。万が一、噛まれてしまった場合は感染症に感染するリスクがあるため、病院で診察を受けることをおすすめします。
・追い払う
イタチを捕獲するのではなく、天井裏などの巣から追い出すことも有効です。主な方法を紹介します。
- 動物忌避剤(木酢液・竹酢液等)を使う
- 害虫用くん煙剤といった煙の出る製品を使う
- センサーライトなどの照明機器をイタチの巣の近くに置く
イタチの嫌がる臭いや、照明の明かりを避けて追い払うことが期待できます。
・再発防止をする
再度、家屋に侵入させないように再発防止策を講じることが重要です。主な方法を紹介します。
- 侵入経路を塞ぐ
- 餌となるような食べ物を置かない
- ネズミが住み着いているなら駆除をする
イタチが家屋に入り込むことを防止することが大切です。さらには呼び寄せてしまう原因を取り除くという意味で、餌となる物を置かないようにしましょう。イタチは餌であるネズミを追って家屋に侵入するケースもあるため、家の中でネズミを見かけるなどする場合には放置せず対策をとるのが無難です。
ここまでイタチの生態や家屋侵入による被害について紹介してきました!愛くるしい見た目ですが立派な害獣です。様々なリスクがあるので、自宅に住み着いてしまったかも?と感じた場合は放置することは絶対にやめましょう!