コウモリが害獣だということをご存知でしょうか?夕暮れどきになると何処かから飛んでくるのですが、森や林などだけではなく、実は市街地に生息していることも多々あるのです。SARS、MERS、COVID-19といったウイルスの起源がコウモリであるとの説がありますが、野生動物ある以上は何らかの感染症の媒体になりうるでしょう。コウモリは蚊やゴキブリを捕食してくれる益獣としての側面と、家に住み着くと害獣になってしまうという側面があります。ここでは、コウモリが自宅に住み着いてしまったらどのような被害があるのか、どのようにして駆除をすれば良いのかについて紹介していきます。
コウモリとは
コウモリは羽があり空を飛ぶため鳥類と間違えられることがありますが哺乳類です。全世界では約1000種類ものコウモリがおり、日本国内に生息するのは30~40種類と言われています。私たちが普段の生活で目にすることが多いのはアブラコウモリ(イエコウモリ)で、生息する分布も広く個体数も多いコウモリです。どの酒類のコウモリも共通して言えることは鳥獣保護管理法の対象であるため、無断で捕獲することは禁じられています。以降ではアブラコウモリに関する情報を紹介していきます。
コウモリ(アブラコウモリ)の形態・生態
大きさ | 体長5cm程度。小型のコウモリ。 |
からだの特徴 | お腹は灰褐色、背中は灰色がかったオリーブ色。耳は薄い。 |
活動時間帯 | 夜行性で日没から10~30分経過すると餌を探して飛び回ります。5月〜8月は日の出前にも採餌をします。 |
食べ物 | 主に蚊やカメムシなどの昆虫。 |
生息場所 | 建造物・洞窟・洞穴を寝ぐらにします。採餌は公園・田んぼ・畑・河川などの開けた場所で行います。群れで住み着き、活動します。 |
鳴き声 | チッチッチ、キッキッキ |
コウモリによる住宅被害
コウモリが家に住み着いた場合、以下の被害にあう可能性があります。
①衛生面の被害
②建物への被害
③騒音の被害
中でも衛生面の被害が最も心配されます。糞尿によって天井にシミができたり、鳴き声による騒音も気になるところですが、年配の方や子供たちの健康に影響があるのではないかと気になります。
・ダニの被害に遭う危険性
コウモリの糞尿にはダニが潜んでいます。主に以下の3種類です。
- コウモリマルヒメダニ
- コウモリマダニ
- コウモリトコジラミ
コウモリが自宅に住み着くと群れの糞尿が溜まり積もっていきます。ここから室内に侵入すると人間や犬などのペットに寄生し吸血します。実際にコウモリに寄生するコウモリマルヒメダニが人間に寄生した報告や人家から採取されたという報告があります。
・感染症の危険性
コウモリが関係する感染症がいくつか知られています。
- 狂犬病
- SARS
- ニパウイルス感染症
- ヘンドラウイルス感染症
- ヒストプラズマ症
国内でウイルスがコウモリから人間に感染したという事例はありませんが、コウモリの持つ病原体の保有状況や病原性が不明なのです。つまり、どれくらい感染リスクがあるのかが評価できていないというのが現状です。
ダニ・ノミの寄生や感染症のリスクを考えた場合、乾燥した糞尿が混じった空気を室内に入れたり、吸い込むことは避けた方が良いですね。
コウモリを駆除する方法
・専門業者に相談する
以下の理由から、まずは一度専門業者に相談することをおすすめします。
- 鳥獣保護管理法の対象であるため、自治体に捕獲の認可をとる必要がある
- 作業にかかる負担・時間がきつい
- 衛生面での不安
- コウモリの赤ちゃんが巣に残っていた場合、メンタル的に辛い
コウモリは天井裏など高いところに巣を作ることが多いです。そのため、巣を探す→糞尿を清掃する→消毒をする→ダニ・ノミを駆除する→侵入防止の金網を設置するといった工程をこなすのが大変です。糞尿は乾燥すると塵のように舞います。それを吸い込んでしまったり服につくことを想像すると気持ち悪いですよね・・。また、コウモリの赤ちゃんはまだ飛べないため逃げることができず巣に残っていることがあります。
こうした点を考えると、まずは一度専門業者から駆除・清掃・再発防止の見積金額を取得して、予算内に収まるかどうか検討してみることをおすすめしています。
・自分で駆除する
予算の都合などで自分自身で駆除する場合は以下の工程を参考にしてください。
- 自治体に捕獲の認可を申請する
- 手続き方法や必要書類を自治体に確認しましょう
- 道具を調達する
- 防塵マスク、忌避剤、消毒液、殺虫剤、工具、金網など
- 巣の位置を特定する
- 巣は複数箇所ある可能性もあります
- 忌避剤で巣から追い出す
- 糞尿を掃除する
- 巣の中、付近を消毒する
- 殺虫剤でダニ・ノミを駆除する
- 巣への経路を塞ぐ
- 指が入る程度の隙間があればコウモリは侵入してしまいます
コウモリ自体が飛んで噛み付いてくる可能性は少ないですが、不用意に手を近づけるなどしないよう十分に注意しましょう。
ここまで、コウモリが自宅に住み着いてしまったらどのような被害があるのか、どのようにして駆除をすれば良いのかについて紹介してきました!健康被害のリスクもありますので放置せず早めに対策をとり、快適・安心の生活にしていきましょう!